本日、午後1時から、松戸教会聖堂にて、東京教区・中央地区 平和旬間行事が、東葛飾宣教協力体(豊四季教会・亀有教会・松戸教会)主催で行われました。
まず、最初に金澤弘子さんの講演会が行われました。

金沢さんの講演のテーマは「原発事故から学んだこと ―苦しむ命に触れて、祈りそして回心へ―」です。
2011年3月11日に起こった「東日本大震災」から4年5ヶ月経った現在の福島の現状をお話頂きました。

金澤弘子(かなざわ・ひろこ)さん プロフィール
小・中学校勤務を含め、カウンセラーを30年務める。自宅に鍵をかけず、駆け込み寺として開放。現在、NPO法人「子ども自立の里」理事、自立支援カウンセラー養成講座講師、傾聴ボランティア「白河みみずく」代表、「知足庵」世話人代表。カトリック白河教会信徒。
続いて、漆原比呂志さんの講演会が行われました。

漆原比呂志さんの講演のテーマは、「国際協力の現場から学ぶ『平和』」です。
日本カトリック信徒宣教者会(JLMM)よりカンボジアとベトナムに各3年間派遣されたご自身の体験をとおして、「平和とはどういうものなのか?」というお話をして頂きました。
講演の最後にモハゴサナンタ師の言葉を紹介されました。
苦しみの共感からはじまる平和 -一人ひとりの心から始まる平和-
カンボジアの人々の苦しみはとても深い。
その苦しみは深い共感を生んだ。
深い共感は、平和な心をもたらす。
平和な心は、平和な人をつくる。
平和な人は、平和なコミュニティをつくる。
平和なコミュニティは、平和な国をつくる。
平和な国は、平和な世界をつくる。

漆原比呂志(うるしばら・ひろし)さん プロフィール
1966年、神奈川県鎌倉市生まれ。日本カトリック信徒宣教者会(JLMM)よりカンボジアとベトナムに各3年間派遣。帰国後JLMM事務局スタッフ、2004年より事務局長。2011年よりカトリック東京ボランティアセンター(CTVC)事務局長を兼任。NPO法人「東ティモール医療友の会」理事。カトリック雪ノ下教会信徒。
講演会終了後、午後2時45分から幸田司教様司式で「平和を願うミサ」が行われました。
開祭のあいさつのなかで幸田司教様は、「平和旬間の結び、戦後70年の終戦記念日でもありました。戦争で亡くなられたすべての方々のため、そして世界の平和のため、そして、わたしたちの先祖や亡くなった家族のためにミサをささげましょう。」と仰り、ミサを祈りへと導かれました。

第1朗読は、豊四季教会の方が朗読されました。

第2朗読は、亀有教会の方が朗読されました。

福音朗読は、豊四季教会の主任司祭、渡邊神父様が朗読されました。

そして、幸田司教様のお説教。

幸田司教様 説教
共同祈願では、3教会(豊四季教会、亀有教会、松戸教会)の方々が唱えられました。
松戸教会信徒による「東日本大震災による被災者のための祈り」

私たちもその人たちのために支援し、犠牲をささげ、祈り続けます。
そして、1日も早く安心して暮らせる日が来ますように。
また、この震災で亡くなられた全ての人々が、聖母マリアの取り次ぎの祈りにより、あなたのもとで安らかに憩うことができますように。
豊四季教会信徒による「世界の平和を願う祈り」

今日、この一瞬にも、戦争や紛争の犠牲となっている人がいます。
主よ、私たち一人ひとりが「平和を作る者」として、あなたに派遣されていることを自覚し、文化や宗教、価値観の違いを非暴力で乗り越え、お互いへの理解と尊敬に溢れる寛容な社会の担い手として働くことが出来ますように。
私たちに必要な知恵と勇気をお与えください。
亀有教会信徒による戦後70年を迎える日本の平和を願ういのり

松戸教会信徒による「福島の原発事故被災者の為の祈り」

人々の暮らしと命をおびやかす原発に頼ることの無い社会を、私たちが選び取る事が出来ますように。
すべての人の苦しみを担われるキリストがいつも共にいてくださることを、証することが出来ますように。
そして、最後に会衆全員で「平和のための祈り 2015」を唱えました。

あらゆる差別をなくし、いのちと人権を尊重する社会をつくることができますように。
国と国、民族と民族が、対話と相互理解の努力を続けることができますように。
無関心を乗り越え、格差と貧困の問題に取り組むことができますように。
地球環境を大切にし、すべての生きものと共存することができますように。
神よ、わたしたちに、武力によらない平和への道を歩ませてください。



そして、聖体拝領。

ミサの終わりに、幸田司教様からともに東日本大震災被災者の為にご一緒に活動されてきた金原さん、漆原さんとミサをあげられた事を感謝される言葉がありました。

ミサ後、多くの方が残り、懇親会に出席されました。




戦後70年の節目に行われた「平和旬間行事」を通し、もう1度戦争のない社会の尊さ、そして、今なお苦しみを味わい平和を甘受できない人々がいる現実を考えさせられました。
幸田司教様が、お説教の中で仰っていた通り、この終戦の日・8月15日「聖母の被昇天の祭日」にした決意を忘れないように過ごせればと思います。